暇つぶしのお供に。

暇な時書きます。

「卒業式からの卒業とバカの留年」

今週のお題「〇〇からの卒業」

 

卒業式の2日前、私とK氏が遊びに行ったとき、なぜいつも早く家に帰宅しているのかたずねてみると「俺はせっかちだからできるだけ早く家に帰る」だと。私はこの「せっかち」という言葉が妙に面白くツボに入ってしまった。そこで私と友達で「せっかち」を理由に「卒業式から早く脱出するゲーム」をやることにした。

今思うと、ただ早く帰って遊びたかっただけだが。

ルールは、学校で点呼が始まった瞬間に計測開始して校門をでたら計測終了としてタイムを競うというものだ。

 

卒業式は9:00からスタートする予定だ。私のクラスメートは先生への贈り物の準備をしていたり、黒板アートに取り組んでいたり、「最終日だから」という名目でスマホで写真を撮っている人もいた。その中ただ一人私はこの「遊び」のことを全力で頭でシュミレーションする。気分はまるで東大生のようだ。

そして式が始まった。私の予想通り式はとても無味乾燥なものであり、だれも意見しない外面だけの式であった。思ってもいないお世辞を並べ続ける大人を尻目に私は睡眠をとる。卒業式の1時間の時間は私の学校生活の中で最も意味のないことのように思えた。

そして帰りの会も終わりクラス委員が最後の挨拶をする。

「起立、礼、さようなら」

その声を最後まで聞き取ることなく私はかばんに手を通し、走り始めた。クラスでは私のことを呼び止める人もいたがそんなことは頭の片隅にすら入れず私は走った。

セリヌンティウス(K氏)」のために。走れDRANP!

そして靴を履き、再び走る。しかしなぜか母親が正門の前のスロープにいて、急いでいる私を見て不思議そうにしていた。さらに私の友達が大きな声で

「DRANP~!みんなで写真取るよ〜!!」

 

 

 

 

 

 

「はぁぁぁぁぁぁ??!!」

 

 

親の前で言われると恥ずかしいものだ。しかし私はなんとか逃げ切り、校門へいくとK氏とその友達はすでにそこにいた。そこで計測終了。タイムは...。

 

 

 

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なんとあの長ったらしい卒業式を3時間足らずで脱出したのである。達成感を噛み締めながら、K氏とその友達と笑い合いながら最後の下校を楽しんだ。

 

 

後日、クラス経由で写真が私にもメールが届いた。私がいないその写真の中でクラスメートが楽しそうにピースしている。一瞬、虚無感に駆られた。しかし、校門を出る前に撮った私とK氏と友達との冴えない顔をした3人の写真を見て少し鼻で笑い、私はそのメールをゴミ箱へとそっと捨てた。

 

そんなところです。